地域包括ケアは連携か'範囲の経済'か

摘要

2012年診療?介護報酬同時改定からみえる今後の厚生行政の流れは，の医療機関の機能の明確化と連携の 強化，医療機関と在宅?介護施設との連携強化，にある.そこで社会保障?税の一体改革において消費税率 を段階的に10%に引き上げることが決まったわけだが，ここで留意すべきは社会保障制度改革推進法案にあ る."医療のあり方については個人の尊厳が重hぜられ，患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行 い，とくに人生の最終段階を穏やかにすごすことができる環境を整備する"という文言.これは"末期の水"を どこで取るかが超高齢社会を迎えるわが国で最重要課題となることを示唆するものである.その成否は，リハ ビリテーションゃ訪問看護ステーションにおける医療保険と介護保険の連携，さらには歯科?保険薬局との連 携にかかっているが，効率化の観点からは"範囲の経済"の模索も重要となる.そしていわゆる"ピンビンコ 口リ"を推進するためには，欧米諸国で一般的な"医療の事前指定書（Advance Directive)"の導入も望まれる.