産婦人科

摘要

産婦人科医療,とりわけ周産期医療を取り巻く環境が大きく変化し,注目されている.わが国の周産期医療の進歩には目を見張るものがある.過去25年で妊産婦死亡は1980年の19.5から2004年の4.3(出産10万に対して)に減少し,周産期死亡率に至っては11.7から3.3(出生1,000に対して)へと減少し,世界第一位の成績である.しかしながら,これを維持するための医療提供体制が日本全国で問題となっている.周産期医療は小児科医と産科医との連携により成り立つ分野であり,「小児科·産科医師確保が困難な地域における当面の対応について～小児科·産科における医療資源の集約化·重点化の推進～」という文章が「地域医療に関する関係省庁連絡会議」(厚生労働省,総務省および文部科学省)によって昨年定められた.すなわち,各地域の行政関係者,医療関係者,住民の理角引こ基づく"集約化·重点化"の確立が今後の大きな課題である.