わが国と世界各国における外来抗菌薬の消費動向

摘要

国内および国外の一次医療機関における感染症への対処の現状を推定するために,各国の医療現場で使用されている経口抗菌薬の消費状況を調査した.わが国における使用経口抗菌薬のなかではセファロスポリン系薬(36%),マクロライド系薬(31%),フルオロキノロン系薬(30%)が多かった.同様に,アメリカにおいてはフルオロキノロン系薬(38%),マクロライド系薬(21%)が多く,欧州(5ヵ国)においては,国間で異なるもののフルオロキノロン系薬,マクロライド系薬,セファロスポリン系薬が上位を占めていた.国民一人当たりの年間の経口抗菌薬の使用量(金額)を概算すると,日本1,867円,アメリカ2,322円,欧州960円となり.アメリカにおいて比較的多く使用されている傾向が見られた.