ビタミンK不足と骨折リスク

摘要

栄養素としてのど夕三ンKが骨粗鬆症性骨折の予防に有用であることは，国内外の複数の疫学的な研究によって裏つけが得られている．このため,骨粗鬆症の予防と治療における栄養指導においてビタミンK不足の予防を促すべきであろう．ビタミンK2製剤の曽折予防効果に関する報告のメタ解析では,椎体骨折の骨折発生率抑制効果はオッズ比で0．40（95％信頼区間0．25～0．65）,大腿骨近位骨折については0．23（同0．12～0．47）,非椎体骨折については0．19（同0．11～0．35）が得られている．低カルポシキル化オステオ力ルシン（ucOC）の測定について保険適用が承認され,骨粗鬆症の薬物療法において,ビタミンK2製剤を選択する際やどタミンK2製剤の効果を判定する際の補助的指標としての活用が期待される．ウルフアリン服用悪者にはビタミンKを用いた栄養指導と薬物療法を行ってはならない．ウルフアリン服用患者にはピタ三ンKを摂れないことが不安感につながらないよう,ほかの栄養素や薬剤の活用,運動の励行によって,十分対処できることを伝える必要がある．