ビタミンD不足と骨折リスク

摘要

ビタミンDは健全な骨·カルシウム代謝に必須の因子であり．ビタミンD不足はカルシウムバランスを負に傾け,続発性副甲状月泉機能元進症をもたらすことにより曽根転症のリスクを高める．しかしながら,ビタミンD不足がどのレベルから骨折リスクをどの程度まで増力ロさせるのかは明確でない．ビタミンD充足状態の最もよい指標は血清25水酸化ビタミンD濃度であるが,その測定はわが国の保険診療では認可されていない．わが国でもピタ三ンD不足は高頻度に見られることが示唆されているが,サプリメントとしてのビタミンDは処方薬になく,一般にもあまり普及していない．骨粗転症治療薬としてわが国で汎用されている活性型ビタミンD3製剤は，単独での骨折抑制効果は弱く，ほかの骨吸収抑制案の補助薬として位置つけられている．一方,ビタミンDには転倒防止効果があることが報告されており,曽折抑制効果の一部はこれを介している可能性がある．プライマリ·ケアにおけるピタ三ンD不足への対応としては,適度な日光照射を受け,十分なカルシウムを念餌から摂取することを推奨するとともに,必要に応じて活性型ビタミンD製剤を投与することが望ましいと考えられる．