右下腹部痛の鑑別診断

摘要

右下腹部痛の診断では緊急を要する状態か否かを常に念頭において診断を進める.女性においては産婦人科疾患に留意して問診，診察，検査を進める。小児においては典型的な症状がでないことがあることに注意する.右下腹部痛は外来で最もよく診る腹痛の1つである. 右下腹部痛というと，まず第一に鑑別に挙がる疾患は 虫垂炎であり，虫垂炎であるか，否かを診断すること が右下腹部痛の診断をするうえでの第一歩となる.典 型的な虫垂炎を診断するのは消化器外科医であればさ ほど難しいことではないであろう.一方，問題となる のは急性虫垂炎以外の疾患の場合や，妊婦，小児などの場合である.