第10国St.Gallenコンセンサス会議において, ER, PgR, HER2の三つのバイオマーカーの検査結果を参考に術後補助全身療法を選択することが推奨された.しかし,これらのバイオマーカーだけでは,予後や治療効果の予測には限界がある.そこで乳癌組織における複数の遺伝子の発現を同時に調べるマイクロアレイが開発され,遺伝子発現のプロファイルと予後や治療効果との関連が調べられている.本稿では,遺伝子発現プロファイル研究の流れと,そのなかで注目されている「intrinsicsubtype分類」に照準をあて解説する.さらに,本分類の免疫組織化学的アプローチを用いた日本人乳癌の特徴分析に関するわれわれの研究結果についても触れる.
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