胆嚢十二指腸瘻を伴う胆石イレウスの1例

摘要

胆石性イレウスは比較的まれな疾患である。その多くは，胆嚢十二指腸瘻を介して胆嚢結石が腸閉塞をきたすと言われている。今回，胆嚢十二指腸瘻を伴う胆石性イレウスを経験したので報告する。I.症例:症例：75歳女性 主訴：心窩部痛，嘔吐 既往歴：2型糖尿病，高血圧 家族歴：特記事項なし 現病歴：2018年2月上旬，心窩部痛，嘔吐が出現し，前医受診。小腸イレウスの診断で同日入院。精査の結果，胆嚢十二指腸瘻，胆石性イレウスと診断。同年2月中旬，継続加療目的に当科紹介受診となった。入院時現症：身長150cm，体重86.1kg，BMI : 38.2，眼球結膜に黄疸なし，眼瞼結膜に貧血なし，腹部は膨隆，弾性軟，心窩部に圧痛を認めた。入院時検査所見：AST 46 U/L, ALT 46 U/Lとトランスアミナーゼの軽度上昇を認めるが，T. bil 1.06mg/dlと正常範囲内であった。腫瘍マーカーはCEA4.5ng/dl, CA19-917.8U/ml，であり，いずれも正常範囲内であった。