気管浸潤食道癌切除後，広背筋皮弁による膜様部再建を実施した1例

摘要

気管浸潤をきたした進行食道癌は，きわめて予後不良で治療に難渋することが多い。 今回我々は，放射線＋化学療法中に気管食道瘻をきたした進行食道痛に対し，気管膜様部部分切除，有茎広背筋皮弁による膜様部再建術を実施した症例を経験したので供覧する。 症例は，53歳，男性。 主訴は嚥下困難，家族歴，既往歴に特記すべきことなし。 硯病歴，平成12年6月ごろより嚥下困難出現，近医で十二指腸潰瘍として内服治療を受けるも症状は増悪し，平成13年2月1日当院内科受診，2月5日GIFで食道癌の診断がつき，2月19日外科入院となった。