日本人における高血圧の特徴と最適治療法の研究

摘要

私が高血圧診療に携わるようになつたのは1965年頃で，今から50年前のことである.当 時日本人の死因の第1位は脳卒中であり，その 基礎疾患として重要な高血圧への対策に力が入 れられていた.血圧の測定法やその評価法，高 血圧の基準の検討，高血圧の危険性の認識，さ らに優れた降圧薬が開発され，徐々に脳卒中の 頻度は減少し，現在では死因の第4位に後退し た. このたび，はからずも井村臨床研究賞を受賞 させていただくことになり，この50年間に私 どもの教室で取り組hできた高血圧の成因と治 療の研究をまとめ報告させていただく.