抗NMDA受容体脳炎 新たな傍腫瘍性神経疾患の登場

摘要

中枢神経細胞のNMDA受容体に対する細胞膜抗体の産生によって発症する辺縁系脳炎の存在が明らかになり，注目されている．若年女性に好発し，卵巣奇形腫を合併することが多く，統合失調症棟の精神症晩発熟，痙攣，四肢·顔面に特有のジストこァ棟の不随意運動，中枢性低換気を特徴とし人工呼吸器装着を余儀なくされ，意識障害が遷延するが，MRI画像所見，髄液所見に乏しいこと，さらに重度意識障害は長期に及ぶものの，症状には自然寛解が見られることが特徴である．