待機的股関節全置換術後の静脈血栓塞栓症の予防に対するフォンダパリヌクスナトリウムの臨床評価-1.5 mgおよび2.5 mgの2用量での有効性と安全性評価

摘要

静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)は下肢整形外科大手術を受ける患者の術後に多く合併することが知られ, 2004年に作成された『肺血栓塞栓症/探部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン』でも人工股関節全置換術(total hip arthroplasty :THA)施行患者における発生頻度は深部静脈血栓症(deep venous thrombosis : DVT) 27.3%,症候性肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE) 0.7%,致死性PTE0.2%とされている　 DVTはPTEの主な原因であることから,本邦でもDVT予防が強く推奨されている.