整形外科領域における創傷湿潤療法の有用性 骨折部周辺の皮膚損傷の治療

摘要

従来，創傷の治療では「消毒とガーゼ」が当然のように行われてきた．しかし，最近になって創傷治癒のメカニズムが科学的に解明され，消毒とガーゼは創傷治癒を阻害することが判明してきた．消毒をせず湿潤環境を保つことが創傷には適しており，形成外科·皮膚科領域では，先進的な医師が「湿潤療法」に熱心に取り組hでいる．しかし一般の外傷例は，湿潤療法が普及していない整形外科医をまず受診することが多いのが現状である．当院では2004年1月からあらゆる創傷を湿潤療法で加療し，その数は1，000例を超えた．