1セル繰り返し広帯域TDMAシステムにおける周波数領域等化を用いた同一チャネル干渉対策に関する検討

摘要

OFDMAMS (Orthogonal Frequency Division Multiplexing based Adaptive Modulation Scheme)に基づく1セル繰り返しTDMA (Time Division Multiple Access)セルラシステムは，次世代移動通信システム(B3G: Beyond Third Generation)が目標としているブロードバンドワイヤレスアクセスの実現が可能なシステムである．しかしながら，上り回線の伝送方式としては，PAPR (Peak to Average Power Ratio)が低く，電力利用効率の高いシングルキャリア方式の適用が望ましいと考えられることから，本検討では，近年，盛hに検討が行われているMMSE (Mimimum Mean Square Error)基準型の周波数領域等化(FDE: Frequency Domain Equalization)を適用したシングルキャリア方式(SC-FDE: Single Carrier systems with FDE)に基づく1セル繰り返しTDMAシステムならびにその同一チャネル干渉対策を提案する．提案システムの概念としては，周波数スペクトルの各離散周波数における受信SINR (Signal to Interference plus Noise Ratio)に応じた等化処理によって干渉を抑圧することを基本とし，さらなる伝送レートの向上を図るため，適応変調方式(AMS: Adaptive Modulation Scheme)と受信ダイバーシチの適用により，伝送品質を保証しつつ，伝送レートを改善している．そして，計算機シミュレーションにより提案システムを評価した結果，セルラ環境下において，無伝送となる確率を2.4%に低減し，孤立セル環境に対する平均スループットの達成率を示す実効セル繰り返し数1.40を実現したことから，上り回線においても1セル繰り返しTDMAシステムが実現できることを明らかにした．