安定化したスラッジ水を練混ぜ水に用いた貧配会コンクリートの諸特性

摘要

凝結調整剤を添加してスラッジ水中のセメント粒子の水和の進行を抑制し，スラッジの固化を防止して，スラッジ水の品質の安定化を図ることによって発生からの経過材齢（以下スラッジ材齢と呼ぶ）3日で，コンクリートの単位セメント量に対するスラッジ固形分の添加率が9％までであれば，種々の環境温度条件においても，また配合等が変化してもコンクリートの特性にあまり悪影響を与えることなくスラッジ水を再利用出来ることを明らかにしてきている．また，生コンプラントではスラッジ混入コンクリートについてもスラッジ水を混入しないコンクリート（以下，Baseコンクリートという）と同等の特性を有するコンクリートを配合設計することが求められるが，従来から用いられてきている単位粗骨材容積法でコンクリートの単位水量および単位粗骨材容積を一定とする配合設計方法を用いることで計画するコンクリートを得ることができることを明らかにしてきている．本報告は，土間コンクリートなどを想定した単位セメント量の少ない貧配合コンクリートについて，材齢28日の圧縮強度，練り上がり時のスランプおよび空気量を同じくし，生コンプラントから排出されるスラッジ水と同等な成分を有する人工的に配合されたスラッジ水に凝結調整剤を添加して安定化したスラッジ水を練混ぜ水として用いたスラッジ水混入コンクリートとスラッジ水無混入クリートのBaseコンクリートの諸性質を比較検討したものである．なお，評価項目は，フレッシュコンクリートについてはスランプロスならびにブリーディング特性，硬化コンクリートについては圧縮強度，乾燥収縮ひずみおよび中性化深さである．