厚さ方向の小片結合ネットワークを強化した低密度パーティクルボード--基礎物質および単板オーバーレイによるその補強－

摘要

水平堆積した小片マツトを90度回転し，マット四側面を寸法拘束してボードを製造すると，①ボード平面での著しい小片配向，②ボード断面での比較的乱雑な小片配転③小片圧縮ひずみの経線などの構造的特徴が現れた。 その結果．従来法のボードに比べ，TSの軽減や煮沸後のIB残存率の高さなどの効果が生まれ，また面内一方向において．曲げ性能，インターラミナせh断強度，寸法安産性が向上した．面内他方向の性能向上は，上下一層の単板オーバーレイで可能となり，TSの軽減を維持したまま、従来法のボードと同等以上の面内寸法安定性および曲げ性能を付与できた．さらに，直交2層単板オーバーレイでは，従来法によるコアよりも優れた曲げ性能が発揮され，本研究で進める低密度PBに複合させるべきフェイス材選択の方向性が示唆された。 　 最後に本研究をご支援いただいた（株）大鹿振興，㈱群栄化学工業，㈱山崎木材店，岩手県合板事業協同組合宮古工場に対し厚く御礼申し上げます。