卜マ卜における摘葉処理が 果実品質と収量に及ぼす影響

摘要

都内で生産している野菜のなかで、トマトは品目別産出額が最も高くい2 oo 6年C2015年で生産量が150t (約3.7%)増加している。野菜生産物の大半は共同および個人直売所、インショップなどで販売されているが、そのなかでもトマトは目玉の品目であり、糖度の高いトマトはとりわけ人気が高い。生産者サイドでは糖度を高めようとする試みも見られるが、実際には尻腐れ果、果頂褐変果などの障害果が増加するため、技術的なハードルが高く、障害果の軽減対策が不可欠となつている。トマトの尻腐れや果頂褐変は、果実肥大にともなうカルシウムの要求量に対して、その供給量が追いつかなくなった際に、果頂部の細胞が局所的に崩壊.壊死することで発生する。一般に、根から吸収された力ルシゥムは水とともに移動するので、蒸散量の少ない果実よりも、蒸散量の多い葉に分配されやすい。また、分配されたカルシゥムは植物体内で再移動しにくいので、果実ではカルシウム不足になりやすい傾向にある。高糖度トマト栽培では、特に灌水量を抑制することから、より一層、カルシゥム欠乏が起こりやすい。