アスパラガスの生理生態と栽培技術

摘要

アスパラガスはいったh定植すると10年以上は栽培することができ、長野県では30年以上継続して栽培している農家も見受けられる。 アスパラガスは野菜では珍しいユリ科の多年生作物であり、特異な生理、生態反応を示す。毎年、種子を播いたり、定植したりする必要がない反面、収穫と株の維持、養成とのバランスをとることが難しい作物でもある。 本州寒冷地のアスパラガスのうち、長野県では1933（昭和8）年に生食用グリーンアスパラガスの生産が開始され、その後アスパラガスの生理、生態が本州寒冷地の気象条件に適していたことから、1960（昭和30）年以降から本州寒冷地の各県で生産が急増し、主要野菜として産地化が図られてきた。本州寒冷地の2006（平成18）年の生産量は、長野県が4450－で北海道（5160t）に次いで全国2位、秋田県が1820－で全国5位、福島県が1740－で全国6位であり、作付面積も長野県、秋田県、福島県の順に、それぞれ全国2位（1500ha）、3位（484ha）、4位（462ha）で、次いで岩手県が全国5位（274ha）となっている。