ネギの栽培技術と生産事例: ネギの生産技術の現状と需要の変化を見すえた今後の展望

摘要

スーパーにネギがない曰はない、と 言われるほど日本人にとって身近な 野菜、ネギ。今回の特集では、栽も 技術や病害対策》近年の需要動向の変化、生産事例も紹介する。ネギは1年を通して日本人の食生活に欠かせない野菜であり、栽培面積(2万2900ha、 2012年度)はダイコン、キャベツ、タマネギに次ぐ規模で、産出額は1336億円にのぼる国内の農業上重要な作物である。国内の野菜生産量は担い手の高齢化などにより減少傾向にあり、ネギもその例外ではない。これにともない輸入量の増加傾向は続いており、今後の生産力の維持が危惧されている。加えて消費動向の変化として、食の多様化により家庭内消費が減少し、加工-業務用需要の割合が過半を占めるようになったことが、今後の生産技術のあり方にも大きな影響を及ぼしていると考えられる。本稿では、ネギの生産に関する様々な問題に対応して発達してきた品種 - 栽培技術について概略を説明するとともに、近年の需要動向の変化に対応して今後求められる技術開発のあり方について考察したい。