球根べゴニァの逆挿しにおける植物成長調節物質による不定芽形成の促進

摘要

ベゴニァは非常に多くの園芸品種があり、形態的な変 異が大きいので茎や根の形状をもとにして、木立性べゴ ニァ、根茎性べゴニァ、球根性べゴニァに大別されてい る。それらのうち、花の観賞価値が高いものを一般に「花 べゴニァ」と総称し、冬咲きべゴニァ、エラティオール べゴニァ、球根べゴニァ、四季咲きべゴニァなどが該^ する。用途としては、四季咲きべゴニァは花壇に利用 れるがそれ以外は鉢物として生産、利用されている。球 根性のベゴニァは地下に塊茎や球根を作るタイプのもの で、葉片を採取して挿すと発根や発芽が早いので、効率 の高い繁殖方法である。この場合、採取する部位によつ て不定芽の形成率に差があり、例えば葉身基部に比べて 先端部から採取した小葉片ではその形成率が低いことが わかっている。これは、小葉片に存在する「高濃度」の 内生オーキシンの濃度が関係しているとおられている。そこで、大阪府大院生命環境科学研究科の田中ら (2011)は、内生オーキシン濃度を低下させるために小 葉片の置床方向を変えて挿す「逆挿し」を行った結果、 不定芽の形成力促進されること、天然オーキシンのーAA を2 日間だけ処理すると不定芽形成が促進されることを 示した。