ブドウの環境保全型栽培のための簡易潅水施肥装置

摘要

農業は自然の生態系を活用して営まれる産業であり、食料の生産という基本的役割の他に、環境や国土の保全にも大きく貢献してきた。 しかし、増収や省力化など生産性の向上が重視された結果、化学肥料や農薬、化石燃料への依存度が高まり、自然環境への悪影響が無視できない状況が生まれた。 また、肥料などの過剰な施用は土壌の性質を悪化させて板の活力を奪うため、減収や作物品質の悪化を招くことも少なくない。 このような状況の中、土壌への過剰な養分蓄積や、水質汚濁成分の流出が少なく、作物生育と環境保全の両面で優れた栽培法として、養液土耕栽培が注目されるようになった。