大腸癌切除不能再発例に対する在宅抗癌剤治療の現状と将来

摘要

持続肝動注療法(5-FU 250mg/日)7日間投与を1ク-ルとして1週間おきに在宅で大腸癌切除不能肝転移100例に施行し,評価可能な93例を検討した。 5-FUの総投与量の平均は24.2gで,奏効率は59.1%であった(CR:4例,PR:51例,NC:12例,PD;26例)0 50%生存期間はCR:764日, PR:620日,NC:255日,PD:152日で有効例で有意に延命効果を認めた。 肝動注の合併症の発生頻度は15小1%で,合併症による死亡例はなかった。治療で肝切除が可能となった19例, 20.4%に肝切除がなされ, 3年生存率は動注後肝切除35.3%,動注のみ3..8%で,動注後肝切除例で予後は延長し,新たな治療戦略として試みるべき方法である。 5-FUを主体とした在宅全身化学療法を3例に行ったが,患者は2か月以上にわたり安全に治療を継続できた。