再発食道癌に対するDocetaxel，5－FU，CDDPを用いた化学療法 PilotStudyとして

摘要

当科ではCDDP＋5-FU（FP）療法に続くsecondlineの化学療法として，2002年1月よりdocetaxelを用いた化学療法をpilotstudyとして開始したので，現在までに得られた本化学療法の成績を報告する。対象は食道癌術後の再発治療としてFP療法施行後の再発 再燃症例10例である。 再発形式は，血行性3例，リンパ行性4例，血行性＋リ ンパ行性再発3例である，化学療法レジメンは，docetaxel60mg/m~2（day1），CDDP10mg/body（dayl～5），5－FU500mg／body（dayl～5）を1コースとし3～4過ごとに2コース以上施行を目標とした。奏効度（overallresponse）はCR症例はなかったが，PRを4例（40％）に認めた。 無効（NC／PD）が6例（60％）だった。 再発形式別には，リンパ節再発7例中4例でPR（4/7：57．1％）が得られ，血行性再発では6例中3例でPR（3/6：50％）を認めた。 有害事象は，血液 骨髄への影響が顕著で8例でgrade3以上の白血球減少を認めた。 　 docetaxelを併用した本化学療法は，再発食道癌に対するsecondlineの化学療法として有望である。 症例を蓄積し，本治療の有効性をさらに検討したい。