ラジォ波焼灼術と肝動注化学療法の併用が奏効した転移性肝癌の2症例

摘要

要旨転移性肝癌の治療は困難であり，局所療法と全身化学療法を組み合わせた集学的治療が必要である。外科切除以外で治療した2症例を供覧する。症例1:57歳，男性。同時性肝転移を有する直腸癌で，2007年11月，低位前方切除，ラジオ波焼灼術（RFA),肝動注ポート挿入，胆摘を施行。肝動注化学療法とUFT/Uzdの全身化学療法を施行し，治療後約1年であるが，残肝再発はない。症例2:66歳，男性。2006年7月に胸部食道癌と多発肝転移で，放射線化学療法（FP療法+ 65Gy)にて，原発巣はCR,肝転移はPRとなった。2007年5月，開腹RFA,肝動注ポート挿入，胆摘を施行し.肝動注化学療法を開始。肝転移はCRになったが,肺門リンパ節転移が出現。2008年4月にnedaplatin + docetaxel療法に変更した。治療後2年7か月であるが,原発巣，肝転移はCR,肺門リンパ節はPRである。