ラジオ波焼灼療法における熱伝達率の大血管内流量依存性の検討

摘要

本研究では，RFA療法において，術中大血管により組織の熱が奪われる問題に着目し，in vitro環境下でブタの血管とブタ肝臓組織を用いた実験で流量が変化する際の組織の温度を実測した．さらに，有限要素法に基づき，各流量条件下の熱伝達率を算出し，大血管内の流量と熱伝達率の関係が線形的に近似できることを確認した．したがって，組織の温度が大血管内の流量に依存することが分かった．今後，肝がhRFAの治療効果を向上させるために，術中における大血管内の流量を考慮した各流量に応じた組織の温度分布シミュレータを開発する．