肺癌-局所進行非小細胞肺癌に対する治療戦略

摘要

非小細胞肺癌の標準治療は，I-II期では手術，根治放射線治療不能なIII期とIV期は化学療法であるが，根治照射 可能な局所進行非小細胞肺癌であるIII期はその対象の幅が広く，切除可能III期，切除不能III期に分けられ，化学療 法?放射線療法?手術療法を駆使した集学的治療が行われてきた。特に縦隔リンパ節転移を伴うN2-inA期では標 準治療は化学放射線療法であるが，その治療成績は5年生存率20%前後であり，決して満足できるものではなく. 治癒をめざしてこれまで様々な臨床試験が行われてきた。放射線治療においては，標準線量群と高線量群との比較 試験，照射範囲や照射技術の検討，さらに新たな治療装置/治療計画装置の進歩による治療法の開発が進められてい る。外科的には，切除可能N2-IIIA期を対象とした外科切除を含めた集学的治療の臨床試験力複数行われてきたが， 局所療法として根治的外科切除の優越性を示した第III相試験は未だ報告されていない。分子標的薬を導入療法とし て手術を含む集学的治療の導入療法の試験が現在進行中である。内科的には，放射線治療に併用する薬物療法の開