Ⅲ.中咽頭癌発癌機構研究の進歩

摘要

頭頸部癌は毎年世界で50万人以上が罹患し，全癌中 六番目に多い癌腫である。頭頸部癌の発癌因子は喫 煙，飲酒がニ大因子とされるが,近年第三の因子として ウィルス感染が注目されている。なかでもヒト乳頭腫ゥ ィルス（human papillomavirus: HPV)によるHPV関連 中咽頭癌の罹患数は急激に増加してきており，米国では 同じHPV関連疾患である子宮頸癌の罹患率を上回る可 能性が高いと報告されている。