胃癌術後患者に対する在宅経腸栄養療法胃癌術後の入院，在宅を通じてのシームレスな栄養管理

摘要

要旨胃癌術後患者は胃がなくなることにより経口摂取量が減り，かつ化学療法，再発などにより常に低栄養状態に陥る危険性を有している。 われわれは胃癌手術時に留置した経腸栄養チューブを用いて，入院，在宅においての胃癌術後患者のシムレスな栄養管理をめぎしている。 カテ」テル留置例は244例で，合併症は，腸閉塞1例，自己抜去1例であった。 在宅経腸栄養に移行したのは44例であった。 夜間に注入ポンプを用いて経腸栄養剤を注入，400～1，200kcalのエネルギーを補い，良好なQOLを保つことができた。 在宅栄養補助の期間は，平均12.9±17．7か月であった。 この方法は，胃癌術後のシームレスな栄養補助を可能とし，術後の早期退院，在宅での栄養状態とQOLの維持，外来在宅化学療法の継続に確実かつ有効な方法と考えられた。