乳癌におけるPyNPase活性と臨床病理学的因子，血流動態および予後との関連性の検討

摘要

乳癌におけるPyNPase活性の臨床的意義を明らかにする目的で，臨床病理学的因子，血流動態および予後との関連性の検討を行った。 2000年4月から2001年12月まての1年9か月の間に当科において乳腺腫瘤性病変に対してパワードプラ超音波検査（PDUS）く?こて最高血流速度（V_max）を測定後、手術療法を行い病理組織診断のついた乳癌21症例を対象とした。 PyNPase惰性値は癌郡で1569±635U/mg（mean±SD），正常部で19 0±18 1U/mgと癌部で有意に高値を示した（p<0.001）。 PyNPase活性値においてER PgR n因子 1y,V因子の陽性群と陰性群の間に有意差は認めなかったが，腫瘍径とV_maxに対しては正の相関を認めた（r=0.496，p＝0.026/r＝0.498，p=0.021）。 無再発生存率はPyNPase高値群が有志に低か〕た（p＝0.048）が，累積生存率においては2群問に有意差を認めなかった。 術後再発におけて，PyNPase活性値は多変量鯨析の結果，有意な危険因子であった（p＝0.032）。 乳癌においてPyNPase病性は，悪性度　 増殖能　 予後に関連がある可能性が示唆された。