孔径制御型セラミックス製水素分離膜の開発

摘要

21世紀の新エネルギーとして，クリーンな水素エネルギーへの期待が世界的に拡がっている。 現在の世界の水素生産量は年間約5,000億Nm~3（Nm~3：0°C，1気圧の条件下でのm~3）であり，約40％がアンモニア合成工程，約20％が石油精製工程で消費されているほか，近年その進展が著しい自動車用·家庭用の燃料電池の燃料として，水素のニーズは潜在的なニーズも含め極めて大きい。 ところが水素は，天然には存在しないことから，水素を含む原料にエネルギーを加え，水素を人工的に製造するプロセスが必須である。 現在の水素製造方法としては，大部分は天然ガス等の化石燃料の水蒸気改質により生産されている。 この改質は下記に示す平衡反応であり，通常は600°C以上の高温で行われる。