(PS170)製鋼スラグに含まれる固溶体(Mg,Fe)O の水和反応性の評価

摘要

製鋼スラグに含まれる遊離マグネシア（f-MgO）は精錬時に炉壁保護の目的で投入された MgO フラックスの残存物であり、水和膨張を起こす成分の一つである。現在製鋼スラグは道路用路盤材等に有効利用されているが、水和膨張物質（f-MgO、f-CaO）を安定化させるエージング処理を施す必要がある。MgOはスラグ中で固溶体を形成する場合があるが、固溶度と水和反応性の関係については十分解明されていない。本研究では固溶体(Mg,Fe)O を合成し、粉末 X 線回折（XRD）測定により固溶度と格子定数の関係を調べるとともに固溶体の水和反応性を確認し、製鋼スラグの安定化に役立てることを目的とした。