( S042) Cr 含有粗粒ダストを用いたCr_2O_3 溶融還元

摘要

ＪＦＥスチール株式会社東日本製鉄所千葉地区においては、Cr 鉱石の溶融還元法が実施されており、クロム源原料選択の自由度の高いステンレス溶製が可能である。吹錬初期は昇熱用炭材供給と送酸を行い、溶融還元温度に好適な温度まで昇温したのちにCr 鉱石を供給してCr 酸化物の還元を行なう。Cr 鉱石中に存在しているCr 酸化物は、主に難溶性で安定なスピネルであるMgO·Cr_2O_3 として存在しているため1)、溶融還元温度を十分に高くしないと、還元不良が発生する。一方、ステンレス精錬によって発生した粗粒ダストも発生量に応じてCr 鉱石に混合して、溶融還元炉に供給している。本研究においては、溶融還元炉での精錬効率向上を目的として、Cr 鉱石と粗粒ダスト中のCr 酸化物の鉱物相の違いに着目し、溶融還元温度の適正化を図った結果について報告する。