( S171) 複相鋼におけるフェライト/マルテンサイト界面の結晶学的かつ定量的評価

摘要

高強度と高靭性を両立しうる複相鋼は工業的に重要であり，様々な観点からの研究が行われている．複相鋼の多くはマルテンサイトなどの高強度を担う相とフェライトを始めとする延性を担う相から構成されており，高強度相と延性相との界面における塑性変形伝達挙動や，異相境界近傍におけるボイド生成挙動などが巨視的力学特性を支配する重要な因子となる．しかし，複雑な組織を有する複相鋼におけるマルテンサイトとフェライトとの界面に関する定量的な情報が不足している．本研究では，フェライト/マルテンサイト複相鋼を用いてフェライト/マルテンサイト界面の形状と結晶学的関係の定量的評価方法を検討し，晶癖面や異相境界を客観的に定量する方法を確立することを目的とする．