(S211)複相鋼におけるマルテンサイト組織およびフェライト/マルテンサイト界面組織

摘要

高強度と高靭性を両立しうる複相鋼は組織形態と相分布に関する解析などをはじめとして近年盛んに研究が行われている．複相鋼の多くはマルテンサイトなどの高強度を担う相とフェライトなどの延性を担う相から構成されており，高強度相内および延性相との界面における塑性変形伝達挙動やボイド生成挙動などが巨視的力学特性を決定する重要な因子となる．しかし，複雑な組織を有するマルテンサイトおよびその周辺組織の組織学的·結晶学的特徴については十分に理解されていない．本研究では，フェライト/マルテンサイト複相鋼を用いてマルテンサイトの結晶学的特徴および隣接するフェライトとの界面組織を明らかにし，微視的観点から変形挙動を予測するための基礎的知見を得ることを目的とする．