(J003_1)Co-Cr-Mo 合金の粉末超強加工プロセスによる組織形成

摘要

Co-Cr-Mo 合金は機械的性質、耐食性、耐摩耗性に優れ、またX 線視認性に優れることなどから、医療用金属 材料として用いられている。しかしながら、ASTM-F75（Co-28Cr-6Mo）に代表される低積層欠陥エネルギ ーのCo-Cr-Mo 合金では、塑性変形によりひずみ誘起マルテンサイト変態が起こり、冷間圧延等の塑性加工が 困難である。そこで、本研究では、成形が容易な粉末冶金法をF75 系合金に適用すると同時に、調和組織制 御を粉末超強加工（SPD/PM）プロセスにより行い機械的特性の改善を試みた。調和組織制御は、変形能の高 い粗大結晶粒領域（Core）の周りに高強度の微細結晶粒領域（Shell）を連続的に配置し、3 次元のネットワ ークを構築させるヘテロ組織制御方法である。調和組織制御材料では、高強度と高延性の両立が可能である。