(S034_2)粒界制御したフェライト系耐熱鋼T91 のHAZ 部における組織安定性

摘要

CO2 削減や省エネルギーの観点から特にCO2 排出量の多い火力発電プラントの効率向上が不可欠である． 火力発電効率の向上には，蒸気温度の高温化が必要であり、より高温にも耐えうる材料開発が必須である． フェライト系耐熱鋼は高温強度，耐食性，加工性を有し熱膨張係数も小さいためボイラー，タービン材料と して発達してきた．しかし，火力発電プラントのような高温，多軸応力状態下では主に旧オーステナイト粒 界(PAGB)に沿ったクリープ破壊が問題となっている．Kinoshita らは，粒界工学手法によりPAGB 上の対応粒 界頻度を高めることができ，実際に高温強度も向上することを見出した[1]．