固体~(25)Mg NMRによるスラグ中のf-MgOの新規定量方法(S049_2)

摘要

鉄鋼スラグ中に含まれる遊離MgO（f-MgO）は、水和反応に伴いMg(OH)2へと変化する過程において体積膨張を伴う。また、f-MgOはf-CaOと比較して水和反応速度が非常に遅いのが特徴である。そのため、適切なスラグ管理や有効活用の観点から、その含有量を精度良く求めることが必要とされている。スラグ中のf-MgOの定量方法として、これまでにThemocalcによる計算科学的アプローチ1)や酢酸系の溶媒による抽出、あるいは強制水和後の熱重量分析測定2)等が報告されているが、いずれの方法も定量精度の点で課題が残る。今回、我々は固体NMRを用いて、溶媒抽出等のスラグの事前処理を行うことなく、スラグ粉末をそのまま測定することで、高精度なf-MgOの定量方法を確立した。