離散要素法シミュレーションによる連続式ドラム型造粒機内の粒子挙動の解析

摘要

鉄鉱石原料の予備処理は重要な操作であり，特に擬似粒子と呼ばれる予備造粒後の粒子の性状は，その 後の焼結過程における通気性や反応性に大きな影響を及ぼし，焼結鉱の生産性や高炉内品質を左右する重 要な因子である．今後予想される鉱石特性の変化に柔軟に対応しつつ，プロセスの自由度を確保するため には，原料の造粒現象について十分に理解し，造粒操作を適切にコントロールすることが肝要である．通 常，焼結原料の造粒操作は，ドラム型造粒機を用いて，散水しながら行われる．このとき，造粒現象には ドラム型造粒機の内径や長さ，傾斜角，回転速度，原料装入量，散水量など極めて多くのパラメータが関 与する．これらの影響を実験によって明らかにするには，膨大な時間と労力を必要とする．また，得られ る情報も限られており，詳細な検討は難しい．