調質圧延液が潤滑とロール面の転写に及ぼす影響

摘要

今回の調質圧延実験から（1）～（3）の結果を得た。 （1）調質圧延液AはBにくらべ，圧延荷重の変動が小さく安定していた。（2）圧延ロールの粗さの変化は調質圧延液Aが最も小さい傾向が見られた。 （3）負荷長さ率は粗さ形状を予測でき，ロール粗さの板への転写状態を推定できる指標になりうる可能性が示された。これらのことから調質圧延液の選定により転写率のレベルやロール寿命をコントロールできる可能性がある。 調質圧延について今回の方法での検討は，初めてであり，ロール表面の観察も直接ではなくレプリカによる間接的観察であったことなど，まだまだ改善すべき事があり，今後はこの結果を参考に，さらに実用性の高いデータにできるよう継続して検討していく。