強磁性形状記憶合金における磁場によるバリアント変換機構

摘要

近年、磁場により大きな歪が制御できる材料として強磁性の形状記憶合金が注目されており、代表的な材料として、Ni-Mn-Ga合金、Fe-Pd合金、Fe_3Ptを挙げることができる。これらの強磁性形状状記憶合金において磁場により大きな歪が現れるのは、磁場により双晶変形することによりマルテンサイトバリアントが変換されるためである。 ところで、マルテンサイトバリアントが磁場で変換できるのは、結晶磁気異方性が主要な原因であると考えられているが、この考え方を実証する実験データはNi－Mn－Ga合金1）以外ではほとんど皆無である。 本講演では、Ni－Mn－Ga合金、FかPd合金、Fe_3Ptのバリアント変換をともなった磁化過程と応力-歪曲線をもとに、バリアント変換機構について考察を行う。