好中球ラク卜フIリン欠損症一二次(特殊) 顆粒欠損症一

摘要

ラクトフエリンは単球'マクロファージにも 存在するが，主に好中球の二次顆粒に含まれている.好中球の細胞内顆粒は，3種類の顆粒と 分泌小胞からなっている（表1).ァズール顆 粒または一次顆粒と呼ばれる顆粒は，ミエ口べ ルォキシダーゼ(myeloperoxidase： MPO)陽性 であり，ほかにディフェンシンゃリゾチーム， エラスターゼを含んでいる.二次顆粒は特殊 顆粒とも呼ばれ，MPO陰性でラクトフエリン (lactoferrin)が陽性である.三次顆粒にはゼラ チナ一ゼ(gelatinase)含有量が豊富である.顆 粒内容は特に好中球の殺菌能に重要な働きをも つが，その他各種の機能に関連するタンパクが 含まれており，これら顆粒の欠損は好中球機能 不全につながつている.二次顆粒には接着タン パクのほか走化性因子レセプターを含有してお り，好中球は走化性因子の濃度勾配を認識して 遊走することから，好中球の付着能や遊走能の 障害が究生する.一方，貪食に関してはその機 能が保たれている.