第VIII因子および第VIII因子ィンヒビター

摘要

凝固第VIII因子は内因系凝固因子の一つであり，トロンビン生成を行ううえで重要な役割を果たしている.何らかの理由でヒト第VIII因子 遺伝子に遺伝子異常を生じ，第VIII因子活性が 低下する疾患を先天性血友病Aという.血液凝固経路は内因系と外因系，および共通 系からなる（図1).これにより生成されたトロ ンビンが，フイブリノ一ゲンをフィブリンに変 換することにより止血を完成する.凝固の初期 段階では主に外因系の働きで少量のトロンビン を生成し，これが内因系に正のフィードバック を起こし，大量のトロンビン生成を可能にする.