認知症の行動·心理症状(BPSD)に対応する向精神薬使用ガイドライン

摘要

認知症診療において向精神薬が用いられる場面は，"認知症の行動?心理症状（behavioral and psychological symptoms oi demenua ： BPSD)"あ るいはせん妄に対してであろう，しかし，これら 症状への対応としては，本来は原因の除去や環境 調整といつた非薬物的介入が原則である.一般的 に認知機能低下などの認知症症候に比べると BPSDやせん妄は可逆性であり，治療的介入にも よく反応する.しかし，誤った介入によって悪化 したBPSDは患者と介護者のいずれにとっても大 きな負担となり，生活に混乱と破綻を生じさせ る.患者と介護者の両者のクオリティ?ォブ?ラ ィフ（quality of life ： QOL)を向上させるためにも BPSDを効果的に治療することが臨床的にきわめ て重要である.