1960年になって動き出した日ソ貿昜-日ソ貿昜外史（3）

摘要

1956年日ソ国交が回復し、翌1957年に日ソ通商条約と日ソ貿易支払協定が締結され、1年ごとに更新されてきたが、1960年からは3か年の長期協定になって日ソ貿易への期待が広がってきた。しかし、1960年は日米安保闘争で日本が大揺れになった年でもあった。新日米安保条約は、1月19日岸首相とアイゼンハワー大統領の間で調印され、大規模な安保反対運動が起こった。1月27日グロムイコ·ソ連外相は、門脇駐ソ大使にこの件に関する「対日覚書」を手交した。覚書には「日本から外国軍隊が撤退し、日ソ平和条約が締結されない限り、歯舞·色丹は返還しない」と記されていた。その後フルシチョフ首相は、インドネシア訪問中に議会で演説して、日米安保条約を激しく非難し、岸首相が「外国からの干渉は受けない」と反論するなど政治面では激しい応酬があった。