自動車に用いられるエコマテリアルとしての焼結部品

摘要

近年になって，産業界では常に環境を意識した開発，製造を行う必要がさらに増大してきている．社団法人の未踏科学技術協会内のエコマテリアル研究会(URl= www.sntt.or.jp/eco)では国際エコマテリアル会議を継続的に開催し，2001年10月に第5回目を行った．環境面からみた金属材料全般と自動車との関わりに関しては，この研究会の活動等を元にした河西氏の解説が有用であるが，本解説ではエコマテリアルの1つとして，特に鉄系の粉末冶金技術と自動車の関係について第5回エコマテリアル国際会議での発表に加筆して解説する．粉末冶金は基本的には金属粉未をプレス成形し，その後に高温で焼き固める（元素の相互拡散により，粉末同士が固着する）ことにより製品化するものである．溶製材（鍛造，鋳造の様に溶解過程を含む材料）に比べてネットシェイプで部品が製造でき，機械加工が不要な事，また溶解工程がないため，通常では合金化できないような非平衡組織も製造可能で，この方法でしか実用化できない材料もあるため，自動車部品としても広く採用されている．