明日を支える資源（143）＜連載：製造業を支えるレアメタルの動向について⑤＞レアメタルリサイクルの世界の現状

摘要

2006年以降，南アフリカの生産量は低下している．南アフリカの供給量低下の背景として，電力不足や労使関係の問題による生産障害があげられる．パラジウム（Pd）もその供給の中心はロシアで生産されるNiの副産物が原料であり，ウクライナとの紛争のため現在値上がりが激しい．白金族金属を中心にレアメタルの状況を記載したが，一時のレアメタル危機はないにしても正解的に経済発展が継続することを考えれば世界的なリサイクルを考慮したサプライチェーンのあり方を考えるべきである．以下季稿では，レアメタルリサイクルに対してどのような取り組みがなされているかを，研究開発の動向を中心に筒単に述べる．