ドライブレコーダデータを用いた推定値フィードバックによるドライバの眠気レベル推定

摘要

近年，トラックやタクシーといった事業用自動車を中心にドライブレコーダが普及している．ドライブレコーダはドライバの前方映像や，速度や加速度変化などの走行データを記録しており運転状態を振り返る事ができる．これまでに，ドライブレコーダのデータを活用した居眠り検知に関する研究は行われているがドライバの眠気レベル変化の推定までは行われていない．そこで，本研究では眠気レベル変化を推定する手法を考案した．眠気は連続的に変化することから，推定に使用する特徴量に過去数秒前の推定値を追加する推定値フィードバックを行った．追加する推定値の時間は 30 秒から 360 秒まで 30 秒ごとに変化させた．その結果，推定値フィードバックを用いることでドライバの眠気レベル変化に追従性のある推定結果を得ることができ，提案手法の有効性が示された．