5.8GHz帯車車間伝搬路モデルを利用した無線通信システム性能に関する検討

摘要

近年，道路交通社会の発達とともに，運転支援を目的とした車車間（V2V：Vehicle-to-Vehicle）無線通信システムに関する検討が進んでいる．この検討を進めるにあたり，実道路環境における電波伝搬モデルを作成するため，2009年10月から11月の東京都内において700MHz帯及び5.8GHz帯での電波伝搬測定実験が行われた。本稿では，2009年度伝搬測定実験において得られた5.8GHz帯における複数モデルの伝搬損失特性及び遅延プロファイル特性に対し，マルチキャリア伝送方式の一つであるOFDM（Orthogonal Frequency Division Multiplexing）伝送時の通信路容量及びパケット誤り率に関する計算機シミュレーションを行い，モデル毎の特性差を明らかにする。さらに，NLOS(Non line-of-Sight)環境で中継車両を利用し，2ホップ伝送を行った場合の特性も明らかにする。