運転中のドライバへの香り提示による覚醒効果に関する検討

摘要

居眠り運転による交通事故は後を絶たず，特に大型トラックなどにおいては悲惨な死亡事故につながるケースが多い．居眠りによる意識低下状態からドライバを覚醒させる方法としては，警告ランプやアラームなどが一般的である．しかし，視覚的·聴覚的にもたらされる情報はメーター類やオーディオ機器などによりすでにオーバーフロー気味である．本研究は，運転動作と干渉しない嗅覚による覚醒刺激に着目し，その効果について検証するものである．本稿は，車載化を考慮して試作した香り提示システムを用い，香り提示による覚醒効果の有効性の検証と提示する香りの種類による覚醒効果の違いの比較検証を行ったものである．