AODVを基にした車車間通信ネットワークにおけるルーティングプロトコルに関する一検討

摘要

本稿では、車車間通信ネットワーク向けルーティングプロトコルとして、AODVを改良することを提案する。 AODVはノードの動きが比較的激しいアドホックネットワークに適しているが、これを車車間通信ネットワークに適用した際、あて先ごとに次のホップ先を指定しているので、特に前後方向の位置関係の変化が激しくなるため、ルートは変形しやすくなり、パケットが逆方向に伝達されたり、最悪利用不可能になることも考えられる。 一方、車車間通信ネットワークでは、ノードは道路に沿って配置されるため、パケットの伝達方向は前後方向のみとなる。 これを利用し、一度通信を行ったことのあるノードの前後関係を把握することによって、パケットの逆流を防ぐことができる。 この方法により、ルート探索時の通信トラフィック、パケットの伝達距離が従来のAODVより改善されることを計算機シミュレーションにより示す。